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この日を迎えるために、14ヶ月前から準備を始めたのだという。

クリッとした可愛い目の新婦は、それでもまだ、やり残したことはないか、不備はないかといった不安そうな表情だった。

 

プランナーを一切頼らず、式場、披露宴会場、衣装、料理、音楽、ほとんどすべてを今まで二人で準備してきたのだという。

式の前日、披露宴会場のレストランで、二人は仲良く引き出物の袋詰めをしていた。
 

レストランオーナーから直接依頼を受けて、前日打ち合わせをしに行ったとき、お二人は私がどんなことをするために呼ばれた人間なのか、まったく理解できないようだった。
 

司会者だとか生演奏の場合のピアニストだとか、表舞台のプロは、おそらくどんなかたでもご存じだろう。

新郎新婦のお仕度に、裏方ではヘアーメイクや着付けの美容師が必要なのもわかる。

が、その間をつなぐ役目の黒子でもあり、それにもかかわらず、表舞台でずっとそばにいる介添えの存在は、たくさんのウエディング雑誌を熟読されたであろうお二人も、どうやらご存じなかったようだ。

 

今のウエディングパーティ事情として、新郎新婦は当然主役だが、今は、お呼びしたお客様にとってのホストでもある、という考えのもと、さまざまなおもてなしをお二人は一生懸命に考えられる。

が、それができるのも前日まで。

当日は主役として、それ以外のことはできない。

歌をプレゼントくださる友人にマイクを渡すことも、ケーキ入刀のナイフの持ち方やファーストバイトのお皿を渡すことも、お色直し退場の道順も、最後の挨拶にご両親に立っていただく場所をご案内することも、お二人のお役目ではない。
 

そこに、キャプテンとアテンド(介添え)というスタッフがいて、当日会場が回るのだということを、もっとウエディング雑誌等々で、紹介していただきたい・・・なあ!
 

前日打ち合わせをしていて、これはー・・・私がキャプテンとアテンド(介添え)の二役を担うしかないな、という結論に達した。

司会者さんにも一部手伝ってもらい、どうにか流れるよう役割分担を決めた。

 

そして当日。

いや、当日ほど想定外が起こる日はない。

お二人が最後まで悩んでいた席次表が、前日渡されたものとすっかり変わっていることにコケそうになり(笑)、お客様のお席をもう一度頭に叩き込む。

式から披露宴会場レストランに到着したお客様が気分が悪くなり、急きょ椅子でベッドを作りパーテーションで簡易休憩室を作る。

宴後のお二人の着替えと靴がないことがわかり、ご親族に聞いて回る。

ホールスタッフの手が回らず、ドリンクオーダーを聞き、空いた皿を下げる。

 

それでも、最後には新郎の!感涙を見ることができ、やり切った感と同時にたくさんのシアワセをいただいた。

明日からお二人は、ディズニーランドへ新婚旅行だという。

14ヶ月、よく頑張られましたね。

もう不安な表情はなくなりましたね。

しっかり羽根を伸ばし、ミッキー達と楽しく笑って遊んできてくださいね。