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桜は今まさに花盛り。

西大寺の街に、「ワッショイ! ワッショイ!」の掛け声が響く。

金牛神輿が花かざりのまといに囲まれ、はだかまつりで有名な西大寺観音院を出発した。
 

神輿の前を着物で歩く私たち。

珍しそうに写真を撮っていらっしゃるかたが声をかけてきた。

「なんで帯を前で結んでいるの?」
 

児島帯にはないが、一般的な袋帯や名古屋帯には「界切線(かいきりせん)」があるのをご存じだろうか。

刺繍等の模様を織り始めるときに出る「織り出し線」のことだ。
 

病気になっても簡単に病院など行けなかった時代、帯には後ろから迫ってくる悪霊から身を守る大事な意味があったのだろうと思う。

だからそれを「界切線」と呼び、様々な願いを込めたのだろうと私は考えている。
 

「悪いご縁」との縁は切りたいが「良いご縁」は結びたいもの。

ならば、後ろから神輿に乗って来られる神様とのご縁は大切にしたいから、帯を前で結ぶことにした。

そして背中側は、神輿の周りを飾る花かざりと同じ色のたすきを「花」のように見立てたものを付け、春のお散歩をされる神様を楽しませる。

そんな意味合いを込めて、本日の衣装が出来あがった。
 

2月の太伯梅まつりで「変わり結びファッションショー」をご覧になった「金牛神輿巡行」のお世話役のかたからご依頼をいただき、このたびお祭りの衣装企画をさせていただいた。

昨年のビデオを何度も何度も見直し、イメージを膨らませたのが今回の衣装。
 

11名が、春らしい色合いの着物に身を包み、神輿一行の先頭を行く。

児島帯で4月8日の花まつりをイメージした帯結びを前で結んで、背中には「花」をつけて。

それはそれは鮮やかで華やかで、春爛漫の一行となった。
 

まだ新しい祭だと聞いた。

が、どんな伝統行事にも始まりはある。

これからこのおまつりが、西大寺の街を賑わし、春の風物詩となっていくことを願っている。