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村上寿昭先生はタクトを持たない。

それよりももっとすごい、10 本の指、というタクトで情緒豊かに指示を出してくださる。
 

練習のときは前の人の頭の隙間からチラチラ見えるだけだったが、それがオケ合わせ、ゲネプロでステージのひな壇に上がると、指揮台の先生の動きがよく見えるようになった。
 

私なりの解釈だが。

みんなで一つの方向に向かって!、の思いのときは、力強く1本の指を立てて。

お互いのハーモニーを聞き合いながら一つになぁれ、のときは全ての指で声を寄せ集めるように。

微かに立つ指が、人差指、薬指、小指と違うときは、きっとそれぞれ違う思いを私たちに伝えようとしてくださっているのだろう。

あんなにも豊かに自身の心を伝えようと10 本のタクトを向けてくださる姿に、本番でもないのに、まさかのゲネプロでグググっとこみ上げてきてしまった。
 

村上先生の本気の「Werden Brüder! (兄弟になろう!)」
 

鈍い私は、本番当日になって、やっとやっとメッセージが聞こえたような気がした。
 

村上先生、今日は本当にありがとうございました。

昭和・平成・令和と続けてきた私の第九。まだまだ旅は続きます。