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「この単衣のお着物たち、実はみな素材が違うんです。」と伝えると、全員が「えーーっ!?」と驚きの声と興味津々の眼差しを向けた。
5月は思いのほか寒暖の差が激しいように思う。五月晴れの爽やかな日があるかと思えば、長雨が続いたり。日中は快適でも夜は冷え込んだり。
気候の変化に富んだ時期に、着物を選ぶのは意外に難しい。私は暑がりということもあるが、5月も連休を過ぎれば早々に単衣(ひとえ)をまとっている。
着物の常識で5月は袷(あわせ)、6月は単衣と言われている。冠婚葬祭やお茶事など伝統文化の世界は、やはりそれを守った方が良いと思うが、私は自身の体感とその日吹いている風、で勝手に決めている。それが自分にとって一番快適な衣だ、と思うからだ。快適でないものは、それが洋服だろうが和服だろうが、誰も好んでなど着ない。
単衣を着るのには、まだ理由がある。
着物の暦では、単衣は6月・9月に着るもの、どの着物の本にもだいたいそう書かれている。
「一年の中で2カ月しか着られない着物はもったいないから買わない。」
単衣の着物を持っていない人はたいていこう言う。
なるほど正論であるが、これだけ地球温暖化と言われ、猛暑日などという言葉が生まれ、夏の最高気温が記録を更新している昨今、本当にそれで快適に暮らせますか?
伝統行事など以外は、着物だってもっと自由に、自分の体感に合わせて着るものを選んで良いと思う。
そう考えると、この時期、そしてこれからが着物を着るには楽しい季節だ。単衣で着たい素材の着物はたくさんある。それに、仕立て代も袷より安価だ。薄ものと呼ばれる夏の着物に向かって、着物の色目や質感、透け感を日によって変えると、自分が自然の一部になったような気になる。
体感でとらえると、単衣にふさわしい季節は意外に長い、と感じていただけるに違いない。
私は「その季節の風になりたい」と思って着物を着ている。

月に一回(毎月第一水曜日)、せとうち児島ホテルで開催している「手ぶらでレッスンカジュアル着つけ」では、皆さんにも自然の一部になったような、風になったような気持ちを味わっていただきたく、毎月その季節に合った着物(ちょっと早めの季節の先取りをしながら)を用意している。
来月は、早々に夏の薄もの。風にゆらぐ衣がどれほど心地よいか、体感してもらいたい。自分が風になった!ような、そんな自由さを味わってもらえると思う。

次回の「手ぶらでレッスン カジュアル着つけ」
6月1日 (水)
①13:00~14:30
②14:30~16:00
各回5名様 予約制

お問い合わせ・お申し込みは
【せとうち児島ホテル】 086-473-7721