心をつなぐ

あぁこの二人は良いご夫婦になるな…

ウェディングパーティーの最後、新婦のお手紙のシーンでそう感じた。

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介添えをしていて本当に良かった…そう感じるシーンは、挙式・ウェディングパーティーの中にキラキラと無数にある。

その中で、介添えの立ち位置からしか見えないシーンでの感動が、私をこの仕事に20年向かわせている原動力だ。

二人に会った瞬間、お引き合わせのご縁あって今日の良き日を迎えた二人だ、とすぐに感じた。 心の奥で相手を尊重する静かな信頼感、とでもいうのだろうか。

お互いに信じようという気持ち。一番基本で一番大切なもの。そんな初々しさを感じた。

初々しさは、とくに男性の場合、想像を超える緊張の行動になることもある。新婦をエスコートするつもりで腕を曲げているが、新婦の手のぬくもりや重みがわからず、手がかかっていないのに曲げたままの姿勢で歩き出してしまったり。

お客様の椅子と椅子の狭い間を通るとき、お二人並んでは通りにくいので手をお繋ぎくださいと申し上げると、手首を握って連行状態になっていたり。

終始ぎこちなさを感じる二人だったが、それでも2時間半というパーティの中、同じ行動をすることで、運命共同体の結束は固まっていく。

控え室からパーティ会場までの移動で、だんだんと歩幅が揃っていく。目を合わせて会話する回数が増えていく。

時間とともに心が重なっていくのが、介添えの立ち位置からはよく見える。嬉しくて仕方ない。   宴の最後、新婦がご両親あてにお手紙を読んだ。

感極まるのと同時に、今までの緊張がいきなりほぐれたのか、新婦は涙を流しながら震えていた。 そこに、ぎこちない新郎の手が伸びてきた。

最初は軽く背中に手を当て…そのあとゆっくりポンポンポン…叩きながら、新婦を落ち着かせようとしている。

優しく優しく、まるで子守唄を聞かせるように。 ちょっと驚きだった。この最後のシーンまで、私が見ている限り、お互いが手のひらで相手を感じることはなかった。それくらい初々しく、恥ずかしがりな二人だった。

それがこんなに優しい手の動きになるなんて。 これは、介添えの私の位置からしか見えない、小さな動きだった。

でもこれですべてがわかったような気がした。新郎の優しさと、これからも支えるという決意は、新婦にちゃんと伝わったと。   おひらきで、退場する二人の手は、しっかりと握られていた。

 

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2 Comments

  1. 幸せ家族

    優しさが自然に育まれ、そして、行動になってくる・・・そんな素晴らしい状況を見守れるなんて素晴らしいですね。
    そして、そのようにして育まれた「優しさ」や「思いやりの心」・・・「ポンポンと背中をたたく」・・・そんな自然な、優しい行動が、つぎに、生まれてきた新たな命に引き継がれていくのでしょうね。この新郎・新婦の方達に幸多かれと願います。

    • kimonoterrasse

      婚礼で、介添えの目線は常に新郎新婦に向いています。どんな小さな動きも見逃さないよう気を配っています。そこに、こんな素敵で胸が熱くなるようなシーンを見せていただくことが多々あります。
      仕事としても幸せで、人としても「優しさ」「思いやり」を教わる幸せがたくさんあります。
      いつもいつも、お二人に幸多かれ!と願わずにはいられません。
      そうですね、おっしゃるとおり、次の新しい命に、この優しい心が引き継がれていきますように・・・。それも心から願っています。

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