まずは 体幹

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「あれほどひどかった肩こりが、最近ないんですよね~…よく考えたら、着つけレッスンを始めた頃から少しずつなくなっていったような気がするんです。」受講者の一人が嬉しそうに言った。

 

他にも、正座できなかったが、少し膝を曲げられるようになったり、痛かった腕が上がるようになったり。などなど、リハビリや整骨院で聞かれるような会話が、ここでは時々繰り広げられる。

 

もちろん私は整体の先生ではないし心得もない。けれど、着つけの動きの中に、そのように感じる要素がたくさん含まれていることは以前から実感していた。

 

昔、交通事故に遭い、そのあとリハビリ生活となり、自律神経の不調で平行感覚を失い、長くそれに煩わされた経験がある。「もう着つけは無理だろうな…」と諦めかけたが、やはり好きなものは好き。約2年のブランクを経て、またゼロから出発した。

 

まっすぐの姿勢をしていないと、左右対象の着物は羽織った時に歪んでしまう。大切なのは“軸を意識する運動”である。お道具を畳の上に並べて、それを取る姿勢はスクワット。リズムよく着ないとやはり着崩れる。呼吸を整えて有酸素運動気分。そのうち帯を持ち上げたり帯締めをしめたり、という動きから筋肉もつき、見事にリハビリ着つけで復活した。

 

体力のなかった私は、リハビリ中、正しい姿勢、正しい動きをしないと、身体に負担がかかることがよくわかった。肩が痛い、腕が上がらない、あっちこっちが痛い…これは今までの日常生活の中で、身体に自然と歪んだクセがついてしまったことが原因のように思う。

 

すっかり筋肉のなくなった私が、もう一度着物を着るため(大げさに言うともう一度生きるため)には、“正しい姿勢”が必須だった。着つけの手順でいうと、“正しい動き”と言ってもいい。そして呼吸を整え、自分のリズムをつくっていく。

 

正しい動きは、誰から見ても美しく無駄がない。美しい着姿は、実は美しい着つけ手順の結果だ、ということが、レッスンしていてよくわかる。それを感じたとき、何か身体のお悩みが一つ…解決しているかもしれない。

 

「その通りです。」ニッコリと私は彼女に微笑んだ。

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2 Comments

  1. 匿名

    姿勢は全てを物語る

    「美しい姿勢」の大切さ・・・これは全てに通じると思います。

    重心の位置、無駄のない動き、そして雑念を払い落とした「集中した心」・・これらの総称が「美しい姿勢」だと思います。

    武道にしても、水泳にしても、陸上競技にしても、真のトップアスリートの動きは「全て美しい」・・全く無駄のない動きです。基本は、「体の重心がどのような状況にあってもブレない」ことにあると思います。そして、最も大切なのは、「心の重心がブレない」事だと思います。美しい姿勢・外部に発する精神のオーラ・・これらは全て、心技体が一体化して、生み出されるのだと思います。

    着付けをしていて「疲れない」・・ということは、そのような心技体の領域に到達してきたということなのではないでしょうか。

    ちなみに、私は、馬術で「美しい姿勢」の大切さを学びました。
    ♥♥♥

    • kimonoterrasse

      馬術でとは、素晴らしいですね!
      私も、着つけ世界のトップアスリートを目指して、日々精進したいと思います。

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