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喜寿が間近い生徒さんから、一冊のミニアルバムをいただいた。そこには、着つけのお道具を並べている私、着つけの実演をしている私、「ここがこうなるときれいになりますよ・・・」などと説明している私、いわゆる“着つけの先生”の私が何人もいた。日頃、「姿勢に気を付けて・・・」と生徒さんに言っているだけのことは、なんとか出来ているように写っている。写真で自分を“客観視”したのは初めてだった。気を付けるポイントが何となく“見えた”気がした。

昔から“着つけ”は、家庭の中で、母から子へと伝えられるのが普通だった。それが、戦後、きもの文化が次第に家庭から離れてしまった。私は、いったん途切れかけた“きものの暮らし”を家庭に戻すお手伝いをしているに過ぎない。とにかく早く、皆さんの暮らしの中に、きものを楽しむシーンを作ってもらいたい。

人はそれぞれ、覚え方やスピードが違う。だから私はいつも、「ご自身にあったレッスン方法で、楽しくお稽古してくださいね。」とお伝えするとともに、撮影・録音なんでもOKにしている。そう言えばご婦人は、私のそばに“カセットレコーダー”をちょこん・・・と置いてお稽古をしている。その中には、私の説明の声だけでなく、つまらぬ冗談や、それをみんなで笑いあう声が、わあわあと賑やかに詰まっていることだろう。

いつか聞かせてもらおう。
耳で自分を確認することで、さらに皆さんに“わかりやすく”伝える方法を発見できるかもしれない。