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ご縁あって、高校の茶道部にゆかた着つけ指導に伺った。

文化祭でゆかたを着てお点前をするのだという。

暑い夏の昼下がり、私は校門をくぐった。
 

私のきもの姿を見た途端、キラキラ目を輝かせる彼女たち。

茶道を習おうと思うくらいだから、和文化への興味もきっと大きいのだろう。

まだ食べかけだった遅い昼食をささっとすませ、それぞれ持ってきたゆかたを友達と見せあいながら、きゃあきゃあと支度を始めた。
 

文化祭でお抹茶を振る舞うのに、着るものからおもてなしをする、その気持ちはとても素晴らしい。

でも本来、ゆかたはお風呂上りに夕方から夜に着るもの。

昔は寝間着としていたこと。

だからこそ、「昼間に着るための注意点をお伝えしますね。」と説明すると、ふむふむ・・・と真剣に聞いてくれた。
 

頭の良い彼女たちは、すぐに手順を覚えた。

が、本当に大切なことは着る技術ではない。

これから大人になる彼女たち、日本人として大切な心を感じてほしい。

礼に始まり礼に終わる、その時の姿勢。

ゆかたを着たら、足がしびれても体操座りはしない。

お稽古の合間に、細かいことまで伝えたが、彼女たちは何かを感じてくれただろうか。

 

ゆかた指導が終わった後、私に一服差し上げたいと申し出があった。

ありがたく頂戴した。

慣れないゆかたに同じ歩数で歩けず、「畳の縁を越えられない~」と叫ぶ子。

袖が邪魔になり茶杓に当たって落ちてしまう子。

ここでもまた、きゃあきゃあと賑やかで可愛らしい。

しかし、しばらくすると何となくサマになってくる。

しかも…何となくおしとやかにもなってきた。

習うより慣れろの言葉の意味がよくわかる。

 

夜、茶道指導の先生からメールをいただいた。

例年よりも、彼女たちは着物に興味を持ち、多いに楽しんでいたそうだ。

 

今日私は、これから大人になる彼女たちの心に、“大切な心”の種を蒔けた気がする。