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秋の恒例行事、「名月鑑賞会」は、夏の猛暑を耐え抜いた岡山市民への“ご褒美”のような夕べだ。
中秋の名月、今年は9月15日だった。
その日は、日本三大庭園の一つ「後楽園」が夜間開園される。
夕方になると、着物をまとった人も大勢やってきて、芝の上での野点の茶席に参加したり、自分たちグループでお茶を点てたり、お月見弁当を開いたり・・・と思い思いのスタイルで、秋の夜長を楽しんでいる。
 

その日は夕方の着つけレッスンで、名月鑑賞に出かけるスタイルに整え、少し夜が近づいてきたころ、入園した。
琴の音を聞きながら。野点を一服。
そのあと園内散策。辺りはすっかり暗くなっていった。
 

空には雲が多く、満月は少しの間しか顔を出してくれない。
どれぐらい経っただろうか。
わずかな月明かりを求めて、芝生に集った人の多いこと!
手元が良く見えないほどの明るさなのに、誰も気にする素振りなく、お弁当を楽しんでいる。
手元に灯りが欲しいな、と思ったりしないのかな・・・、いやそれは月まかせ、という感じなのだろうか。
 

何でも揃っているのが当たり前、現代人は我慢をしない、我慢が出来なくなっている、と耳にするが、そこには風流にも、風にまかせ、雲にまかせ、月にまかせ、自然を楽しむ人たちがいた。
 

良い一夜だなと、飾られたススキ越しにライトアップされた岡山城を見て、そう思った。