img_0313
 

「娘が、家に帰ってからも着物を脱ぎたくないと、はしゃいでいる。」と先ほど連絡をいただいた。

そんなに喜んでもらえて、私も嬉しい。

 

友人に誘われ、ある母娘と一緒に、お茶会に参加した。

着付けを習い始めたばかりのお母さんは、ご自分も何十年ぶりに着物に袖を通したという。

そのウキウキ感は、見ているだけで伝わってくる。

はしゃいでいる2人の姿はとても可愛らしく、友達同士のようにも見えた。

 

初めはお母さんだけが着物を着る予定だった。それを聞いて9歳の娘さんが「私も着たい」と言い出したそうだ。

急きょ、一緒にリサイクルショップへ子供用の着物を探しに行った。

 

大人用のものは多くあっても、9歳の子供に合う大きさの着物なんてそうそう簡単に見つかるだろうか・・・・・。

そう不安に思っていったところに、奇跡の出会いがあった。

 

その着物は、少女とほぼ同じくらいの身長に、裾上げ、肩上げをしていた。

手縫いの縫い目から察して、これはその子のお祖母さんが寸法を合わせてくれ、縫ってくれたのだろうか。

優しい手のぬくもりが感じられた。

 

生地の風合いから、これを最初に来た少女はもうすっかり大人になっているだろう。

肩上げをしてくれたお祖母さんは、空の上から微笑んで見ているかもしれない。

ご自分のお孫さんのはしゃいだ姿と重なって見えているだろうか。

 

着物を着せながら、そんなことを考えていた。

 

年数を経ても着物はなお色褪せず、同じ年頃の少女を可愛らしく装っている。

少女の喜ぶ姿を見て、着物が持つ素敵な魅力にまた感動していた。