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杖をつき、背中を曲げ、やっとの一歩を踏み出すご婦人。だが顔は晴れやかで、久しぶりに寿ぎの場へ出席したウキウキ感が、キチンと手入れし大切に保管してこられただろう品の良いワンピースを纏った姿から感じられた。
隣にはご主人だろう、心配な顔が怒っているように見える、そんな不器用な愛情世代のご年齢。足の不自由な妻を気遣ってか、新郎新婦近くの人混みを避け、遠く遠くにと連れて行こうと誘導する。
 
だが奥様は嬉しさのあまり、よろけながらも一歩一歩と輪に近づく。怒るご主人の声は、夢中になっていて耳に入らない様子。
 
 
ある頃から、奥様のお世話や生活の雑事は、ご主人が中心にされるようになっているのだろうか。

ご主人は、子を見守る親のような目線も持ち合わせたかただな、と感じた。

奥様のはしゃぎようが何とも愛らしく、童心に帰ったような無邪気さ。

それは、信頼を重ねて長年連れ沿ったご主人が、今はいつもそばにいてくださる、そんな安心感が子どものような可愛い表情にさせるのかも、と感じた。
 
 

奥様は、結婚式という華やかな場所に来た、だけではしゃいでいるのではないような気がした。

型は少々時代を感じるが、清潔に大切に手入れしてきたワンピース、あれはご主人との、何か思い出ある服かもしれない。

今日、久しぶりにご主人と外出した、そんなウキウキワクワクがあるのかもしれない。

叱られながらも笑っている、聞いているようで聞いてない、その無邪気さが何とも愛らしいご婦人だった。

 
 

共白髪、とはこういうことなのかもしれないな。
人生の先輩に見せていただいた。