茶道は神戸在住のときに少しお稽古させてもらっていたが、もっぱらお菓子目当て。

そんな私が、お茶席でのお点前のお運びを頼まれたのには理由がある。
ひょんなことから知り合った茶道の竹内先生は、もうそろそろ傘寿の頃。

お弟子さんも同じようなご年齢ばかりだと聞いていた。

その先生が、「これがお茶席をかける最後になるかしらね~」と、少し寂しそうにおっしゃった。
年を重ねることは、人生の年輪を積み重ねていくようで、私は誇らしいような思いを持っている。

が。

身体に関してはそうはいかない。

いくら好きでも、「膝が言うことをきかない」

日頃、義母を見ているだけに、先生の寂しさがよくわかった。

 

「私で良ければお手伝いします」と、よくもまあ偉そうに言ったものだ。

とりあえず、当日早めに行き、ちょっと復習させてもらった。
…意外に覚えている自分が不思議なくらいだった。

まあ、お運び程度のことで、何も褒められるようなことはないが。
お菓子目当ての私を仕込んだのは、祖母だ。

決して無理強いも何もせず、ただ好きなようにさせてくれた。

ただ、所作の一つ一つに、なぜこうするのか、ときっちり「理由」をつけて話してくれた。

 

いまになったらよくわかる。

「理由」があるから身体が覚えていることを。

かなり経ってしまったけれど、おばあちゃん先生の「理由」のついた教えは、人のお役に立つことができました。

そして。

祖母に感謝する機会をくださった竹内先生、ありがとうございました。