今年ももうはや、ツバメが帰ってきたらしい。
義母の住む家に戻ると、車庫の床にフン受けの新聞紙が敷いてあった。
「生まれたらな、そりゃあもう、優しい優しい声で親が話しかけるんじゃ。人間と同じじゃ」
目を細めてそう話す義母は、孫の成長を楽しみにしているおばあちゃん、そのものだ。
いつもながら義母の観察眼というか観察耳は・・・すごい!
卵からかえってしばらくすると、カラが下に落ちてくるらしい。
それを合図に義母がすることがある。「蛇よけ対策」だ。
蛇もまたそれを合図のように、ヒナを狙いに来るらしい。
そういえば、先月、ホームセンターで蛇よけに蒔くクスリを買ったっけ。
この時のために、2か月前から計画的に買い物をしている、こりゃまだまだ大丈夫だわ、と少し安心した。
昨夏の暑さがたたったのか、一気にやせ細った。
歩くスピードもゆっくり、長く立っているのはつらいようで、今日も道端に座り込んで、叔母と話をしていた。
大好きな義父の墓掃除も、もう辛くなったのか、「今年からはあんたや」と宣言された。
帰るたびに墓に寄るが・・・冬の間の枯葉掃除だけでも汗が出る。
そのうえ、もうこの時期には草も生え始めるわ、毛虫も歩いているわ、容易ならざる状況。
墓を守るということがどれだけ大変か、すでに数ヶ月で身に染みた。
何もかもやる気をなくしてしまったか・・・と心配していたが、ツバメのおかげで義母はハッスルしている。
今日も、那須家の車庫、通称ツバメ団地に、一組また一組と戻ってきているかもしれない。
車庫の天井をじい~っと見上げている義母の姿が、目に浮かぶ。
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