この間から、リン棒がなくなって探しているという。

お義父さんの仏壇に置いてある、おリンを叩く棒だ。

あらま、じゃあ何で音を出そうかね~と言いながら・・・

サインペンで、チーン。

テレビのリモコンで、チーン(大変バチ当たりな姿です・・・)。

いろんなもので、おリンを叩いてみる。
あら、少しずつ音が違うね。

リン棒じゃなくっても、いい音出るものがいくらでもあるかもよ。

お義母さんの好きな音の出るもので、鳴らしたらいいんじゃない?
失くしたことは、そんなに大したことじゃない。

「今は特に必要じゃないから、見えなくなったんじゃないかな。そのうち縁があればまた出てくるって。」

家の中にあるもので、次のリン棒候補を二人で探すことを面白がる。

そうやって、笑いにかえていくことが多くなった。
昨年の秋頃から、少しずつ、「あれがない」「これが見当たらない」と言うことが増えている。

結局ないからまた買うのだが、そのあと見つかっているのかどうか・・・ここはよくわからない。

 

ここら辺で、真面目な嫁であれば、失くしたものを探したり何らかの病名を疑ったりしなくてはいけないのかもしれないが。

でも義母は、自分にとって大切なことはちゃんと覚えている。

今頃は、話を始めればツバメのことばかり。

この巣はそろそろツバメの卵がかえるころ。

フンが下に落ちる量がどんっと増えるからと、ちゃんと新聞紙と受け皿を用意している。

そして、ヒナを狙ってくる蛇をよけるクスリをもって、たえず番をしている。
「今年は二羽くらいしかかえってないようじゃ。ツバメも少子化じゃなー・・・。」

などと、見上げている。
「ふうーん。ツバメもエサ取りが大変なんかねえ。食べさせるのは大変だねえ。」

隣で一緒にぼんやり巣を見上げている。
こうやって一日がゆっくりと過ぎていく。

今年は一日雨だった、2018年母の日。