ドレス着つけは、和装より難しいかもしれない・・・
研修を受け、私は驚きと尊敬で思わず唸ってしまった。
長年、婚礼での介添えをしてきたが、ドレスの着つけに関わったことはほとんどなかった。
ブライダルの業界は割と細かく分業制になっており、ほとんどの場合、美容師さんもしくは衣装室のかたが新婦のドレス着つけを担当する。
介添えは、着用後の新郎新婦をお世話する役目、ずっとそう思ってやってきた。
この度ひょんなことで、ドレス着つけも含めた介添えをすることになった。
担当する以上はいい加減なことはしたくないから、と、ブライダルスタイリストコーチのTAKAKOさんにお願いし、研修を受けさせていただいた。
ドレスをこよなく愛し20年余。TAKAKOさんは、まさにドレスとともに生きているようなオーラを持っていた。
和装着付けをしているからあなたは覚えが早い、勘が良いと言われたが、研修中、内心私は「こりゃ大変だ!」と冷や汗をかいていた。
私も軽く考えていたが、おそらくほとんどのかたがこう思っているのではないか。
ウエディングドレスは、ワンピースの延長にあるもの、と。
・・・恐ろしいくらい、それはまったく違うものだった!
そもそもドレスと和装、生まれた国が違う。
国が違うということは、着る人、民族が違う。
民族が違うと、骨格が・・・ぜんぜん違う!。
今でこそ日本人は、欧米人に匹敵するくらいの身長のかたも増えたが、そういった体格や体型ではない、もっと芯の部分が、真から違うのだ。
それがわかった瞬間、ウエディングドレスが流行っている昨今、水を差す気はないが、これは大変な組み合わせをしているんだ、と思った。
骨格は、食べるものが変わっても、今後日本人がさらに大柄になっても、おそらく急には変わらない。
むしろ日本人っぽさ、は、ここにあるともと思える部分。
違う民族の衣装を着こなすことって、ほとんど初めて着る新婦にとって・・・どういうことなの?
そんな疑問すら浮かんできた。
TAKAKOさんは、その世界を知り尽くしているからこそ「Bon bon hip」を生み出したのだと思った。
新婦のドレスのズレをなくすためのドレス下着「Bon bon hip」。
これがなぜ必要なのか、なぜ生まれたのか、が、研修を受けてよーくよーくわかった。
http://teamlove.jp/bonbonhip.html
研修を受けて。
着付けをする立場として、の意見。
ドレスをお着つけするほうが・・・難しい(と思う!)。
着物とドレスの違いは、肌の露出度や体のラインが出にくいか出やすいか。
体をすっぽり覆う着物は、例えば体系の補正も入れやすい。
着物と帯、小物、といった別々のものを組み合わせるので、個性も出しやすい。
サイズに多少の変更があっても、後から修正が効くのは、むしろ着物のほうだ。
そう考えると、使う道具や身に着ける小物はドレスより和装のほうがかなり多いが、和装着付けのほうが、はるかに楽なものに思えてきた。
和装着つけに資格制度があるなら(一部例外あり)、ドレス着つけにそれがあってもおかしくない。
これは、「技術」を要するプロの仕事だ。
そして。
「私は着物が似合わないから」とおっしゃるかたがいる。
身長、首、手足の長短を理由にあげたり、年齢をあげたり。
いいえ、そんなことはありません。
日本人なら似合うんです。
だって着物は、日本人の骨格に合うような変遷をして、いまに至っていますから。
コメントを残す