アブダビから帰って来た彼は、つやが出るほどに日焼けをしていた。
背丈も少し大きくなったかのように感じた。
それは彼が、それだけ大きな経験を積んできだということなのだろう。
知的障害者のスポーツの祭典、スペシャルオリンピックス。
彼はテニスの日本代表として出場した。
代表の座を勝ち取るまでにも、本当に大きな努力をしてきたのだろう。
壮行会のとき、穏やかでさわやかな笑顔の中に、嬉しさだけでない、王者?のような風格をがんがんに出していた。
その風格どおり、彼は銀メダリストとなった。
ダブルスもシングルも、銀メダル獲得。
すごい!すごい!
だが彼は、金メダルではなかったことがものすごく悔しいようだ。
その悔しさは次の試合に、将来の自立に必ず繋がる、とお母さんはおっしゃっていた。
銀メダリストがそっとメダルを私にかけてくれた。
その優しい手つきに似合わないほど、本物のメダルは・・・重い!
ものすごく重い! ひえ~、肩こりしそう・・・
でもこれが、彼の今までの努力に比例する重さだと思った。
そしてそんな彼を支えてきたご両親、コーチ、周りの方々の「想い」だと思った。
海外にたくさんのお友達が出来たようで、交換したバッジをひとつひとつ見せてくれる。
しっかりと国際交流もしてきたようだ。
彼は日本紹介の写真の中に、私とのツーショット写真も持っていってくれたらしい。
「KIMONO」を紹介するため、だけれど、それでも充分に嬉しかった。
私をアブダビに連れて行ってくれて、ありがとう。
そして、素晴らしい感動をありがとう。
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