「墓守り」で一番楽しい季節、春。
義父の眠る墓のそばで、まず白木蓮が、そして桜が咲き誇る。
12ヶ月のうちで、約3週間だけ与えられる「ご褒美」だ。

が、今年はどうも様子が違う。
お供え花を取り代えようと花立てに手を伸ばしかけた途端、「ギャーッ!」
シキビの葉の上に、てんこ盛りのイラ(毛虫)。
危うく素手で握ってしまうところだった。
おかしいな、いつもはこんな時期には出てきていないのに・・・。

ふと見渡すと、墓のすぐ横、山の斜面が綺麗に刈られている。
下草だけでなく、そばにあった木も伐採されていた。
えーと、何の木があったんだっけ・・・切り株だけではもう思い出せない。

そういえば、日当たりも良くなっている。

集落の人が綺麗に整備してくれてたところに、ツツジの新芽が気持ちよさそうに出てきていた。

老眼気味の目をよくよく凝らしてみると、ああやっぱり。イラが群がっている。
・・・日当たりと見通しが良くなったかわりに、墓守り役の楽しみは、これで、3週間から半分に減った。

今はとても便利なグッズがある。
ただの軍手ではなく、指先に発砲ウレタンの吹き付けた頑丈な手袋。
帽子はツバ部分にメッシュのネットが縫い付けられ、虫が顔の周りに寄ってこない。また後ろ側は、日に焼けないよう長い布がついている。
サイドもメッシュ仕立てで通気性が良い。

義母を買物に連れて行った際、草枯らし剤を探している義母のそばで、私が農作業用グッズを真剣に選んでいるのを見て、何かを察したようで。
黙ってレジでお金を払ってくれた。
ありがとうございます~。