桜がひと月近くも咲いている年はめずらしい。
それだけに、義母と車窓からの花見も、買い物のたびに何度も楽しめた春だった。
が、その買い物にも新型コロナのせいで連れて出られなくなった。
それで今日は二人でガーデニング。
・・・なんてそんなしゃれこんだ可愛らしいものではなく、「おりゃあっ!」と畑を耕し、キュウリにトマトにピーマンにと、せっせと植え付け。
一人でまっすぐ歩くのも重労働になってきた義母に代わり、墓守りに続いて今春から小作人の役も仰せつかることになった。

とにかく、ここの地主は口やかましい。
畝を真っ直ぐに、と言われて真っ直ぐしているつもりだが、どうも気に入らないらしく口元がへの字に歪んでいる。
珍しい小作人がおるおる、と近所の人が集まって来た。
地主ときたらその人たちに、「シロウトに言って聞かせるのは骨が折れる。私の身体が動きゃ、こーんな畝にはならんのじゃけえど。」と愚痴をこぼしている。
小作人、「あっはっは、畝は曲がっとっても、キュウリは真っ直ぐに実るわ。」と、一向に反省の色はない。
「せえでも(それでも)。」と地主。「仕事は早えわ。鍬はよう入りよる。」

鍬を持ったのは最近だが、ツルハシは18歳から振るっていた。
文化財の発掘調査は、まずはドカ掘りから。
我が母校・奈良大学では希望者はだれでも、入学したての新入りのころから発掘作業に参加させてもらえた。
ツルハシを持たされたとき、最初はあまりの重さにフラフラしたが、嬉しくも悲しくも男女へだてなく指導してくれる研究室と先輩の優しさ(?)に、みるみる腕を上げていったっけ(それは冗談)。
大人になってからも、餅つきのたびに重宝され、今こうしてヒョイヒョイと鍬を振るえるのも、あの時の先輩のご指導の賜物だと、(一応)感謝している。

さて植え付けてはみたが、今年はまだまだ朝晩が肌寒い。
そこで苗にマルチをかけてやったが・・・。
一緒になって歪んでいた・・・あっはっは!