今月米寿を迎える義母が、一枚のチラシをサラリ、と持ってきた。
「家族の絆をつなぐお葬式」と大きな見出しに、「追加料金なしの安心プラン」なるものが、紙いっぱいに紹介されている。
・・・夫と顔を見合わせ、思わず苦笑。
シュールだわ~・・・
帰り道、夫婦が向かった先は言わずもがな、そのチラシの発行元。
いまは会員登録をしておけば、いざという時、何かと相談や手配を受け付けてくれるという。
旅行会社で、日程のハッキリ決まっていない予約をしているような気分になった
あー、でも、ご本人からすれば旅立ちなんだから、この世とあの世を繋ぐ旅行みたいなものなのかなぁ・・・
本当にお世話になる日はまだまだ先のような気がするのだが、几帳面な義母としては、前もって準備しておかないと気が気でないのだろう。
自分の旅立ちのスタイルを決められるのは、幸せなことかもしれないなと、ふと思った。
今の時代、お葬式で遺影はモニターで映し出されるそうだ。
パンフレットには、美しく飾られた祭壇の真ん中に、テレビモニターのようなものがドンと置かれているプラン。
「いざというときに慌てないように、準備されておくと良いですよ。」
うちはもう準備しているのに・・・。
数年前、画家の友人に義母の写真を渡し、ステキな肖像画を描いてもらった。
会ったことない人を、数枚だけのデータで本物以上に描いてくれ、私たち夫婦は大満足。
本当に居なくなってしまったとき、これを見て微笑みながら故人の思い出話ができる、そう思って元気なときの姿で描いてもらった。
肖像画をそのまま遺影として使う予定だったのだが、それも「データ化しておいてください」とのこと。
はいはい。
いまは令和。頭が昭和の人間は、転換期に差し掛かっています。