きもの☆歴史☆帯むすび  をテーマに、未来におくりたい「日本」をつづっています。

 

「しつけ」と読みます。

漢字のほとんどは中国が発祥ですが、この「躾」という漢字は、純粋な日本生まれだと言われています。
私の好きな漢字で、何となくですが、日本人らしさが表れた漢字だと、思っています。

 

しつけ、と言われると、お子さんだったり、また家族同様のペットだったり、に、ルールを教えるといったニュアンスで使われますね。

 

もとは、着物を仕立てたとき、初めて着るときまでに襟や袖、裾などがくずれないように押えておく、糸のことです。

まっさらの着物の襟・袖・裾に、白くかかっている糸。
この状態を見れば、「きものが躾(仕付け)られている」ので、それで、ルールをきちんと教える、教え込む、という意味に使われるようになったのだと、理解されると思います。

 

余談ですが。
着物の仕付け糸は、きつすぎても、ゆるすぎてもダメなのです。役に立ちません。
そういうことからも、お子さん等の躾と、共通するものがありますね。

 

 

 

私の尊敬する、岡山学芸館高等学校の森美智子先生は、毎年、入学してくる新一年生全員を対象とした「マナー教室」を、指導されています。
そのお手伝いに伺ったときのこと。彼らに語り掛ける言葉の中に、今でも忘れられない言葉があります。

 

「しつけは、おしつけです。
きちんとした挨拶や、きちんとしたおじぎは、社会で迷惑をかけない大人になるための、最低限必要なことです。あなたがた全員が身につくようになるまで、私はなんども、なんども、言います。
全員ができるようになるまでです。全員ですよ。」

とても、愛ある言葉でした。
根気よく、向き合う覚悟がなければ、できないことです。

 

そして、彼らは、本当に素晴らしい挨拶ができるようになります。
すてきな笑顔で、きちんと立ち止まり、正しい姿勢でお辞儀をし、挨拶をする。
彼等にとって、このしつけは、一生の宝物になると思います。

 

それを見ていると、しつけ=躾の漢字は、まさにピッタリ、と感じます。

 

大人になって、誰にも言われないようになると、出来ているような気になっていますが、本当は・・・
ああ、自分の姿を振り返るのが怖い、とならないように。
私も、いつも、自分自身=「身」 を、「美しく」。
しつけ糸のような真っ白いこころで、ありたいと思います。

 

それは、結局のところ。
「躾」の漢字の意味するところは、精神的、内面的な美しさ、ということでしょう。

 

着物の着方をお伝えする仕事をしていますと、着付けの方法や技術を気になさる方は大変多いのですが、技術(スキル)をアップさせたい、と思うなら、私は、日頃の所作、立ち居振る舞い、しぐさ、などを見直すのが、一番の近道、だと思っています。

 

ここに、子どものころから「躾」られた、身のこなしが影響するのは事実ですが。
大人になってからでも、日々、気を付けることで、当然、変わってきます。変えられます。

 

着物は、洋服と違って、曲線だらけの体に、直線裁ちの衣服を身に着けます。ボタンやジッパーはないので、襟の重ね具合や紐の締め具合、すべてにおいて自身で考え、調整しなければなりません。
「着る=纏う」という意思を、きちんと持たなければ、きちんと着ることができません。

 

そういう意味では、着る過程(プロセス)が、最終的な「着姿」に影響してくるのは、ごく自然なことと思います。

まず、日頃の自身の動作を見直し、気持ちを静める。

美しい所作で、袖に腕をとおし、立ち上がって裾線を決め・・・と、美しさを追求した身のこなしを意識することで、さらに美しい着姿になります。

 

大島紬 | 着物 | 帯 | 半巾帯 | 児島帯 | 後ろ姿 | 帯結び

着物はこころで着るもの。
着る人の、「身」の「美しさ」を表す衣服だと思っています。

 

 

《 プロフィール 》

着物 | 帯結び | 児島帯 | 着付け教室 | 半幅帯 | デニム | たたみべり | 真田ひも | 結び方那須 七都子 (なす なつこ)

KIMONO Terrasse 代表
第25代 岡山きもの文化人 きもの博士
【児島帯】~デニム・畳べり・真田ひもを使った帯~考案
実用新案登録【ひらき帯】考案

きもの文化を未来へ継承することを目的に、「着物を普段着にプロジェクト」を提唱。

普段着には、アイロン・洗濯等「お家メンテ」できる手軽さが必要、と倉敷市児島の繊維に着目。今までの着物や帯になかった素材で、新たな和の美を創る。

【児島帯】は、世界中で愛される普段着の生地代表・デニムと、和室にかかせない畳べり、400年の伝統繊維・真田ひも、の組み合わせ帯。
【児島帯】~KOJIMA-Obi~

~背中で“魅せる”大人の半巾帯~  をテーマに、素材の特徴を活かした 「オリジナル帯結び」 を楽しむ着付け教室等を主宰している。