どこへでも着物で出かける私が、今回行ったところは、、、、
クラシックコンサート『高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト』
12人全員並べば、舞台に花が咲いたような美しさとあでやかさ。
一人ひとりがソリストとしても活躍されるレベルの高さ。
・・・・・だけでなく。
全員のトークがあまりにも面白く、コント的な動きも絶妙で、素晴らしいエンターテイナーぞろいだった。
抱腹して笑うクラシックコンサートなど、なかなかあるものではない。
知的な12人が繰り広げる愉快な舞台。
クラシックコンサートに来ていることを・・・終演まで忘れていた。
12人が奏でる音色に酔いしれたのは言うまでもないが、実は一番印象に残ったのは、それぞれのトークに出てくるよく似た言葉だった。
全員が素晴らしいヴァイオリンの腕を持っている。
が、口をそろえて「ヴァイオリンが弾けるだけでは、生き残れない」「それだけでは、ここに居られない」「別の何かを持っていないとヴァイオリンが弾けるだけではダメ」
何かにつけてそういった言葉が、面白おかしいトークに乗って、バクダン発言のように軽やかについて出てくる。
これらのトークも、きっとその厳しい競争?の中で、磨きあげてきた「さらにもう一つの才能」なのだろうか。
一芸に秀でているだけでもすごい、と思ったが、そこで甘んじてはいけないということを教わったような気がした。
「着物が着られる」だけでは、もちろん良いとは思っていない。
着つけの普及と育成というお役も、意識はしている。
それ以上に、何かまだ大切なことがあるはず。
私にできる“何か”を「探せ!探せ!」と背中を押されているような、そんな力強い音色に包まれた時間だった。
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