いつもはアテンド(介添え)として入っている仕事先で、いつもと違った役目をいただいた。
普段、アテンドは黒のスーツ姿。だが今回の私は着物だった。
その日は、スタッフの結婚式&ウエディングパーティ。
“身内”のための特別な一日を迎えて、緊張感ではなく“特別な”華やぎがある。
シアワセが時間に乗って、どんどんと押し寄せてくるような静かな盛り上がりの中に、全員幸せな笑顔が広がる。
建物に入った途端、私もそのシアワセな雰囲気に包まれた。
・・・これが、ここのスタッフが創り上げたかった「ウエディング」なのかもしれない。
親御さま、ご親族の控室がある階のエレベーター前で、私は控える。
到着された皆さまが本番を迎えるまでの間、ゆっくり過ごしていただけますように。
そんなことを考えながら、フロアを静かに守る。
事前に、主だった仕事の内容は言われたものの、細かい指示はなかった。
「何をするか」ではなく「何ができるか」が大切、な仕事はたくさんある。
アテンドもそんな仕事の一つだ。
その仕事を普段している“私”を抜擢してくださった意味を考えながら、その時間、集中する。
そして『着物』で、と指示があったその意味も。
親御さまを着付け室から控室へとご案内する時間。
親として、新郎新婦は今どこで何をしている時間なのか、と少し気にかかるそんな質問の時間。
親御さまにも、会場に入ってからどんな「特別な日」を過ごしていただくか、これも婚礼には大切なテーマのように感じる。
着物でフロアにいた私に、次へつながる何かができただろうか。
いつもピッタリと新郎新婦に寄り添っている役目だが、今回は会わなかった。
が、親御さまの心を通じて、お二人に“おめでとう!”をちゃんと伝えられたような気がした。
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