KIMONO Terrasse では、出張レッスンも承っている。
母娘でレッスンをしていたお宅で、お母さんは仕事が忙しくなり今は休止、代わりに弟たちが気まぐれにレッスン室にやってくる。
昨日、兄貴は来なかった。
そのかわり弟がずーっとそばでかまってほしそうにじゃれてくる。
チョビは3才。遊びたい盛りだろう。
だからといって、こら、帯締めをかじるんじゃない! 房に飛びついちゃだめ!
こんなことを言いながら、レッスンは賑やかに進んでいく。
猫の足の裏は“ホンモノ”をすぐに見分けるようだ。
着つけのレッスンのためにきちんとお道具を並べ、着物を置いたら・・・必ずと言っていいほど着物の上に座る。
もしくは、歩く。
絹のたおやかで柔らかな肌触りがわかるらしい。
帯を結ぶ練習の時には傍らにいる気配を感じないので、どこに居るのか…と思ったら、私のバッグの中の正絹の帯をふんふん・・・と嗅いでいる。
練習用帯(化繊)には見向きもしない。
まさか、絹と洗える素材とを嗅覚で分けている、とは思わないが、だが、動物の本能というような行動が恐ろしいほどによく見られる。
人間だって、動物だ。
ホンモノを五感で感じる、その素直な本能をもっと磨く必要があるかもしれない。
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