
あなたが持っている振袖は、ママ振りですか?
ご親戚から譲っていただいたものですか?
あなたを慈しむ、ご家族からの贈り物ですか?
振袖にはたくさんの柄が描かれています。
その柄にはそれぞれ意味があります。
幸せを願うこころ。
健康で長生きして欲しいという祈り。
などなど。
柄の意味を知って着ると、その願いが、自然と心に響いてきます。

2022年の成人式に自分で礼装を着て出席する、
「新成人きものmyselfプロジェクト」のひとつ、
【振袖myselfプロジェクト(略して、振りプロ ! )】は、
2021年1月から始まりました。
もうすでに、自分ひとりで(ほとんど)着られるようになった
メンバーの皆さんですが、
ただ、着るだけでは、もったいない!
用意してくれた振袖に込められた願いを、
しっかりと理解して、当日纏う。
それこそが、育ててもらった親御さんへの「感謝」。
その感謝の気持ちを、素直に伝え、大人への一歩を踏み出す。

そのために、「振りプロ」では、
着付け技術を習得する「実技実践講座」に加え、
オンラインでの「知識教養講座」もしています。
今回は、振袖に、どんな柄が描かれているか、
メンバーそれぞれの振袖を一枚ずつ検証しながら、
「後世に伝えたい日本の心」を、学んでいきました♡

エ霞(えがすみ)
全体的に、古典柄の、素晴らしい振袖ですね!
霞(かすみ)の図柄が、色彩のライン取りをしていて、
さまざまな色が美しく配置されています。
この、霞ですが、カタカナの「エ」という文字になぞらえて、
「エ霞(えがすみ)」と呼ばれています。
連続性のある霞の柄は、「永遠」の意味があると言われています。
おめでたくて、そして優雅な柄ですね。
霞の中に四季花

四季の花々や、吉祥文様が描かれている場合は、
桃源郷や富貴の未来が現れる意味があるとか。
梅は、厳寒の中で、他の花に先駆けて咲く気高さ。
菊は、 邪気を払う長命の象徴。
菖蒲は 「しょうぶ」が「勝負」「尚武」という
漢字で表されるとして、武家に好まれた柄。
一般的には魔除けや、長寿を願う意味を込められることが多いですね。

桜は 日本の象徴の花でもあり、五穀豊穣を表した吉祥文様 。
橘(たちばな)は、みかんの一種で、 長寿を象徴する縁起のよい木です。

牡丹は、百花の王とされ、幸福、富貴、高貴、あ豪華さの象徴。
また、 牡丹の「丹」という文字は、不老・不死の薬、
という意味から、不老不死、不老長寿という意味も
あります。
まだまだ他にも、たくさんの四季の花が。
見ているだけで楽しくなりますね。
実は、ここにも。
柄は、四季の花だけではありません。
花が乗っているもの・・これも一つの柄なのです。
筏(いかだ)文様

筏は、木を繋げたもの、という単純なものではなく、
その昔、貴重な運搬手段でもありました。
それをデザインする、そして、花を描くだけでなく、その花を筏にのせる、というのは、日本人の風雅さの表れですね。
そして、ここにも。
実は、よく見ると、エ霞の中にも文様が
描かれています。
蝶に露芝

蝶は、なんといっても形が美しいですね。
また、卵から幼虫、さなぎを経て美しく舞い上がる様子が、
不死不滅の象徴とも言われています。
その他に、蝶の発音が、中国語の「八十歳」と同じ発音から、
長寿の意味もあるとか。
そして、露芝。
芝は昔から日本に自生している、生命力の強い植物。
その芝に露の玉がついている様子を表しています。
露って、朝の、ほんの一時にしか見られないもの。
それを柄として表現する・・・はかないものをも愛おしむ、
和の風情と日本人の美意識が感じられます。
このほかにもまだまだ、まだまだまだまだ!
よくよく見れば、柄がいっぱい!
これほどまでに、幸せを祈る文様が描き込まれたものを纏う、と考えると、
本当に嬉しく、有難い気持ちになるのではないでしょうか。
こんなに意味ある衣装って、和服ならでは、かも知れません。
着物の文様って、奥が深いですね!!
プロフィール

那須 七都子 (なす なつこ)
KIMONO Terrasse 代表
第25代 岡山きもの文化人 きもの博士
前結び宗家 きの和装学苑 師範
★【児島帯】考案 ~背中で魅せる 大人の半巾帯~倉敷市児島産の「デニム」「たたみべり」「真田ひも」の組み合わせ帯
★実用新案登録 【男女兼用ひらき帯】 考案 ~一家に一本!家族みんなでつかえるユニバーサル帯~
★【倉敷 和 DENIM】 ~倉敷市児島産のデニムでつくった着物
~倉敷市児島産のデニムを厳選、「和」の付加価値を付け、世界に「着物文化」と「児島デニム」を発信する~
オリジナル商品の オンラインショップ 【児島帯】~KOJIMA-Obi~
『振り袖myselfプロジェクト』
(略して 【振りプロ】!)』 応援 & 指導
~自分で振り袖を着て、成人式に行ってやるぞ!~
大人になったことを宣言し、育ててもらったことに感謝する日なのに、何から何まで親任せで、綺麗な衣装も人に着せてもらうことが成人なの? という疑問から、 「自分で振り袖を着る」 ことで、両親や家族に対する感謝の気持ちを表現する ことを目的に、ラストティーンズ(19歳)が頑張ります。 2021年始動!
彼女たちの楽しい奮闘ぶりは、ぜひこちらから ⇒ @furisode.myself