大切に育てたお嬢様に、そっとフェイスベールをかける。
そんなお母さまと新婦を、しゃがんだ角度から見守るのが、私は大好きです。
慈しみと愛情いっぱいの眼差し。
育てた年月が走馬灯のようによみがえるのでしょう。
込み上げてくるものを抑えきれず、ぎゅうっとお嬢さんを抱きしめて。
やがて新婦さまは、お父さまとヴァージンロードを歩み出します。
見送るお母さまは・・・たいがい、泣いてはいらっしゃいません。
背筋がしゃんと伸びて、むしろとてもきれいな方が多いのです。
彼の元へと歩み出す姿を、きっと心の中で「いってっしゃい」とお見送りなさっているのでしょうね。
後ろ姿を見守っている・・・それをしゃがんだ角度から見守るのは、介添えだけのポジションなのです。
とてもとても、ステキなポジションなのです。