恩師に最後に会ったのは、2年前の10月。
奈良大学第19期生の同級会でした。
卒業してからもう20年以上。
先生との日程調整、その他計画をしました。
奈良・元興寺でそれを実現、
あとは市内の見学と説明までお願いし、
数年前まで恩師は、カルチャー講座の講師をされていたので、
「今日は熱弁でお話が長引いてますが、もう少しで終わりますからね」
講座が終わり、待合室にいる私を見て恩師はニコッと笑い、
ある日このように言ってくださったことがあります。
「あんたの着物は、清潔な着方やなぁ〜。」
着物の着方に、清潔という言葉は、ちょっと新鮮でした。
感じました。
でも、なんとなく褒められたんだという嬉しさで、
2年前の同級会は洋服で参加した。
幹事でバタバタするから、とか、
次の日台風が迫っていて悪天候が予想されたから、とか、
あの日恩師は私を見て、またいつものようにニコッと笑い、
「今日は着物やないんなやー」とおっしゃった。
「うんうん、あんたの着方はようわかる。」
それが個人的に、そして着物の話をした最後になりました。
でも、わかってる、とおっしゃったその言葉に、
その3カ月後突然迎えた、お別れの日。
最後に着物でお会いしたのはいつだったか…全然思い出せない。
ただの一枚も一緒に写真を撮っていなかっ
でも、そんなふうに自然に恩師と会い、
会ってくださっていたことの幸せ、
今さらながら恩師の深さ、大きさに心から感謝しています。
告別式では、恩師の奥様、お嬢様、お嫁様の
喪服着つけをさせていただきました(加えてヘアセットも)。
喪服着つけをさせていただきました(加えてヘアセットも)。
先生、これが先生が褒めてくださった「清潔な着方」です。
これからも、「清潔な着方」が
私の目指す着物姿、と心に刻んで進んでまいります。
恩師とのもう一つの約束。
「2年に一度同級会を開催する」
「2年に一度同級会を開催する」
先生の懐かしい姿をDVDで見ながら、
(2016年5月)