
「あれほどひどかった肩こりが、最近ないんですよね~…
よく考えたら、着つけレッスンを始めた頃から
少しずつなくなっていったような気がするんです。」
教室に通っていらっしゃるお一人が、嬉しそうに言いました。
他にも、
正座できなかったが、少し膝を曲げられるようになったり、
痛かった腕が上がるようになったり、などなど。
リハビリや整骨院で聞かれるような会話が、
ここでは時々繰り広げられています。
もちろん私は整体の先生ではないし心得もありません。
けれど、着つけの動きの中に、
そのように感じる要素がたくさん含まれていることは
実感しています。
私は以前、交通事故に遭い、そのあとリハビリ生活となり、
自律神経の不調で平行感覚を失い、
長くそれに煩わされた経験があります。
「もう着つけは無理だろうな…」と一時は諦めましたが、
やはり好きなものは好き。
約2年のブランクを経て、またゼロから出発しました。
すっかり筋肉のなくなった私。
もう一度着物を着るためには?
“軸を意識する運動”
そのためには、「呼吸と姿勢」が大切では、と気づきました。
お道具や着物・帯、着付けに必要なものを揃えて置いておき。
着るときに立ち上がるときは、姿勢を意識して。
呼吸を整えてスーッと真っ直ぐ立ち上がる。
無駄な動きをしないようリズムよく動いて、有酸素運動気分。
そのうち帯を持ち上げたり帯締めをしめたり、という動きから筋肉もつき、見事に着つけでリハビリし、日常生活を復活させました。
もう一つ良かったことが。
正しい動きは、誰から見ても美しく無駄がない。
美しい着姿は、実は美しい着つけ手順の結果だ、ということが、
よくわかりました。
「呼吸と姿勢」を意識し、
体幹を鍛えて、美しい着物姿、一緒に目指しましょう。
(2016年6月)