児島帯とは
~あるものを生かし 新しい価値を提案する~
雄大な瀬戸内海は、
豊かな恵みとともに発展し
様々な技術が集積する世界でも有数の場所です。
特に、江戸時代に
大規模に干拓されて陸続きになった「児島」では
土壌に塩分を含むため、
塩害に強い綿花が広大な土地で栽培されました。
やがてそれは、綿花から綿糸、綿布生産へとつながり
「繊維の街」と呼ばれるまでに発展しました。
近年、その価値をさらに高める、
近年、その価値をさらに高める、
独自の加工技術や縫製技術が次々と生み出され、
「児島」は高い品質と技術力を誇る街として、成長を続けています。
![kojimaobi | 児島帯 | 着物 | kimono | デニム | 真田紐 | さなだひも | シルクデニム | 畳べり | たたみべり](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/040A1597_480x480.jpg?v=1718799470)
【児島帯】は、その繊維の街 「児島」の
デニム・たたみべり・真田ひもを組み合わせて、
つくられています。
つくられています。
女性用半巾帯と、男性用角帯をメインに、
「良質」
「おしゃれ」
「おしゃれ」
をモットーに、デザインをしております。
![kojimaobi | 児島帯 | 着物 | kimono | デニム](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/3_26bd085b-23ef-49b3-b235-3a7665289670_600x600.png?v=1667633080)
児島帯の特徴(一)
畳べりを使っている理由
児島は、畳べり生産が全国一位って、
ご存じでしたか?
(※畳べり=畳の縁を彩り、縁を守るために縫い付けられている布)
児島帯はリバーシブル仕様(半巾帯)となっており、
その片面は、この畳べりを使っています。
![倉敷 | denim | kojima | 児島帯 | 着物 | kimono | デニム | 畳べり](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/1105012_600x600.jpg?v=1667634336)
畳べりの特徴は、
①軽い
②汚れてもサッとふき取ることができる
(汚れの種類にもよります)
③ハリが強い
この、③の特徴によって、
今までの帯とは、一味違う、
大きくて華やかな帯結びができるようになりました。
今までの帯とは、一味違う、
大きくて華やかな帯結びができるようになりました。
これが、たった1本の半巾帯で!?
と、思うようなボリューム感です。
と、思うようなボリューム感です。
![倉敷 | denim | kojima | 児島帯 | 着物 | kimono | デニム | 畳べり](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/040A1594_1_480x480.jpg?v=1718799839)
素材を変えることで、
今までとはちょっと違った着物姿を演出できます。
今までとはちょっと違った着物姿を演出できます。
同じ着物と帯の組み合わせでも、
帯結びのバリエーションや魅せ方を工夫して、
ずっと楽しめますね!
![倉敷 | 児島 | kojimaobi | 児島帯 | 着物 | kimono | 畳べり | デニム帯 | 真田ひも](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/040A4403_600x600.jpg?v=1675495467)
児島帯の特徴(二)
半巾帯をつくろうと思った理由
児島は、どこにでもあるような繊維の街ではありません。
では、他の繊維の街、とは?
では、他の繊維の街、とは?
一般的には、
・1種類の繊物を、分業で製作している
・名産・特産となる繊維を、大小の企業が製造している
・1種類の繊物を、分業で製作している
・名産・特産となる繊維を、大小の企業が製造している
などなどではないかと思います。
児島の繊維は、
もともとは、綿花の栽培から始まり、
綿糸、綿布、綿製品、と発展してきました。
もともとは、綿花の栽培から始まり、
綿糸、綿布、綿製品、と発展してきました。
その後、時代のニーズに合わせて、
さまざまな種類の繊維に取り組み、
さらに加工技術・縫製技術をも発展させ、
高い技術力でオリジナリティあふれる製品を
生み続けている、
さまざまな種類の繊維に取り組み、
さらに加工技術・縫製技術をも発展させ、
高い技術力でオリジナリティあふれる製品を
生み続けている、
そんな、繊維の街です。
![倉敷 | 児島 | kojimaobi | 児島帯 | 着物 | kimono | 畳べり | デニム帯 | 真田ひも](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/040A4381_600x600.jpg?v=1675498465)
この、複数の種類の繊維業が集まっている
ユニークな「繊維の街」を、
広く皆さまにお伝えするには、どうしたらよいか。
ユニークな「繊維の街」を、
広く皆さまにお伝えするには、どうしたらよいか。
そこで、
複数の繊維を使って1本の帯をつくり、
この街を紹介しよう、と考えました。
この街を紹介しよう、と考えました。
それには、
リバーシブルで使える帯がピッタリ!
リバーシブルで使える帯がピッタリ!
男性用は角帯
女性用は半巾帯
女性用は半巾帯
が、最もふさわしいと考えたことから、
今のラインナップに繋がっています。
今のラインナップに繋がっています。
![倉敷 | 児島 | kojimaobi | 児島帯 | 着物 | kimono | 畳べり | デニム帯 | 片身替わり | 岡山デニム](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/040A5662-1_600x600.jpg?v=1675496590)
児島帯の特徴(三)
児島にはすぐれた縫製技術がある
畳べりの反対面には、
児島で一番有名な繊維「デニム」と
最狭の織物、と言われている「真田ひも」を
児島で一番有名な繊維「デニム」と
最狭の織物、と言われている「真田ひも」を
使っています。
![倉敷 | 児島 | kojimaobi | 児島帯 | 着物 | kimono | 畳べり | デニム帯 | 岡山デニム](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/180411_0170_600x600.jpg?v=1675499162)
デニムの種類には、
カジュアルな「ライトデニム」と
着物にも使っている高級な「シルクデニム」。
カジュアルな「ライトデニム」と
着物にも使っている高級な「シルクデニム」。
両面が異素材のものを縫い合わせるのは、
実は、縫製のプロでも、とても大変なのです。
実は、縫製のプロでも、とても大変なのです。
特に、畳べりはすべりやすい素材なので、
長い帯を縫っている間に、
どんどんズレて・・・
長い帯を縫っている間に、
どんどんズレて・・・
私も一度挑戦してみたのですが、
最後はまったく長さが合わず、
とんでもないことになってしまいました(苦笑)。
最後はまったく長さが合わず、
とんでもないことになってしまいました(苦笑)。
素材や生地の厚さが違っても、
縫製工程の複雑なジーンズ等を縫う
優れた縫製技術が児島にあったから、
児島帯は生まれました。
縫製工程の複雑なジーンズ等を縫う
優れた縫製技術が児島にあったから、
児島帯は生まれました。
![倉敷 | denim | kojimaobi | 児島帯 | 着物 | kimono | デニム](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/1105006_480x480.jpg?v=1667631120)
児島帯の特徴(四)
絶対に曲げられなかった信念
児島帯を製作するにあたり、
以下の3条件を満たすものをつくる、と決めました。
以下の3条件を満たすものをつくる、と決めました。
①帯の重さは500gまで
②色落ち・色移りしない
③家庭でメンテナンスできる
②色落ち・色移りしない
③家庭でメンテナンスできる
①帯の重さは500gまで
帯は、重いと体に負担がかかります。
それで、袋帯の半分以下の重さの帯にするため、
(袋帯は約1kg)
それぞれの生地選びを始めました。
それで、袋帯の半分以下の重さの帯にするため、
(袋帯は約1kg)
それぞれの生地選びを始めました。
が、
3種類の素材を組み合わせた重さが、
500g以下にするために、
これほどまでの種類のデニム生地を試すことになるとは、
思っていませんでした(笑)。
3種類の素材を組み合わせた重さが、
500g以下にするために、
これほどまでの種類のデニム生地を試すことになるとは、
思っていませんでした(笑)。
厚みのあるデニムだと、デニムらしさはバツグンですが、
・重い・硬くて結びにくい
・薄いデニムだと、デニム感がない・安っぽい
・薄いデニムだと、デニム感がない・安っぽい
厚みや質感などでも、いろんな問題が山積みでした。
もちろん、②色落ち・色移りしない についても
同時進行に考え、生地選びを続けました。
同時進行に考え、生地選びを続けました。
![倉敷 | 児島 | kojimaobi | 児島帯 | 着物 | kimono | 畳べり | デニム帯 | 真田ひも | 岡山デニム](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/FNQT1142_600x600.jpg?v=1675500900)
試行錯誤のうえ、現在は、
★カジュアルな帯には ライトデニム生地
★エレガントな帯には シルクデニム生地
を使っています。
③家庭でメンテナンスできる
③については、
a.家庭で手洗いができる
b.アイロンがあてられる
a.家庭で手洗いができる
b.アイロンがあてられる
の2条件をクリアすることを目標にしました。
a.家庭で洗えるということは、
・雨や汗などで濡れても大丈夫であること
・雨や汗などで濡れても大丈夫であること
これは、②の色落ち・色移りとも関係します。
・縮まないこと
これについては、素材それぞれの縮率(濡れて縮む%)を調べ、
全体的にバランスが合うように整えました。
これについては、素材それぞれの縮率(濡れて縮む%)を調べ、
全体的にバランスが合うように整えました。
ここで整えていないと、
結ぶという斜めにかかる引っ張りに対し、
どんどんと変形していってしまうからです。
結ぶという斜めにかかる引っ張りに対し、
どんどんと変形していってしまうからです。
![倉敷 | 児島 | kojimaobi | 児島帯 | 着物 | kimono | 畳べり | デニム帯 | 岡山デニム](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/IMG_8218_600x600.png?v=1675500196)
b.アイロンがあてられるということは
・熱に強いということ
・熱に強いということ
これは、畳べりが問題でした。
本来、建築資材である畳べりは、
折り目がきちんとつく素材で出来ています。
折り目がきちんとつく素材で出来ています。
その素材が熱に弱いのです。
ですので、帯として結んだときに
どうしてもついてしまうシワ、
これをアイロンで伸ばそうと思っても、使えません。
どうしてもついてしまうシワ、
これをアイロンで伸ばそうと思っても、使えません。
これについては、畳べり製造会社に直接お願いに伺い、
新たに帯用として、畳べりをつくっていただくことになりました。
新たに帯用として、畳べりをつくっていただくことになりました。
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/040A1514_480x480.jpg?v=1718800202)
今、児島帯では、
市松柄、鮫柄のデザインの畳べりを使わせていただいています。
市松柄、鮫柄のデザインの畳べりを使わせていただいています。
同色・同柄の畳べりはありますが、
児島帯に使っているものは、オリジナル畳べりです。
児島帯に使っているものは、オリジナル畳べりです。
こちらを製作いただいた
畳べりの髙田織物株式会社・高田会長さまには、
本当に感謝しかありません。
畳べりの髙田織物株式会社・高田会長さまには、
本当に感謝しかありません。
こうして、数々の問題をクリアし、
児島帯は今、皆さまにお使いいただいています。
児島帯は今、皆さまにお使いいただいています。
こちらに
【児島帯】制作に至った『想い』をつづってくださっているブログを、ご紹介させていただきます。
~「児島」にこだわる ある想い~
私は神戸市の生まれです。
1995年の阪神淡路大震災で、実家は被災しました。
幸い、家族やご近所の皆さんは無事でした。
が、ご近所さんは次々と引越をしていかれ、
気がついた時には、
慣れ親しんだコミュニティがなくなっていました。
そのことに、とても大きな空虚感を覚えました。
ある日、ふとしたことがきっかけで、
児島が「繊維の街」と呼ばれていることを知ります。
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/0919004_480x480.png?v=1667633319)
海沿いにある児島は、
約400年前からの綿花栽培にはじまり、
北前船等の物資輸送で綿を中心とした繊維産業が盛んとなり、
それが今に繋がっています。
約400年前からの綿花栽培にはじまり、
北前船等の物資輸送で綿を中心とした繊維産業が盛んとなり、
それが今に繋がっています。
長い歴史の中で発展した繊維産業で、
人と人は繋がっていました。
「そうか、産業があれば街は残るんだ」
お節介な話かもしれませんが、私は
「街を残すお手伝いがしたい」
そう思いました。
というのは。
私は阪神淡路大震災の約10ヶ月前から岡山に住んでいました。
あの激しい揺れに合わず、怖い思いをせず、
そして、そのおかげで、
家族に、食料や必需品を運ぶ、後方支援ができました。
私は「岡山に守られた」、そう思いました。
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/040A3036_480x480.jpg?v=1675509537)
勝手な思い込みですがそれで私はいま、
少しでも岡山に恩返しがしたくて、
「街を残すお手伝い」をさせていただいています。
少しでも岡山に恩返しがしたくて、
「街を残すお手伝い」をさせていただいています。
今後、この先ずっと、100年後でも、
「岡山と言えば、シルクデニムの着物や、児島帯だよね」
という言葉が聞かれるような、
これが街の文化として残っていてほしい、と願っています。
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0550/0914/8992/files/22690273_1078956888907560_153077128_o_480x480.jpg?v=1675486659)
そのためには、
まだまだ、皆さんに愛してもらえるものをつくる責任がある、
と思っています。
まだまだ、皆さんに愛してもらえるものをつくる責任がある、
と思っています。
着物を着たとき、姿勢が自然にスッと伸びて、
人にも自分にも丁寧な振る舞いができる
そんな人が増えることで、良い社会になる。
使って
楽しんで
街が残る
楽しんで
街が残る
そんなものをつくり続けたいと思っています。
そしていつか
「岡山を和服の産地にする」
ことが、
私の大きな夢です。