着物のお手入れ①~絹の着物~

絹の着物

 

絹は、日本の伝統的な織物の中でも特に高級とされ、光沢や風合い、肌ざわりの良さが特徴です。

一方で、非常にデリケートな素材であるため、取り扱いやお手入れには注意が必要です。

着物の手入れ | 児島帯 | シルクデニム着物

絹の着物を長く美しく保つためには、

「着用後のケア」

「保管方法」

「クリーニングの考え方」

の三つを柱として意識することが大切です。

 

では、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

 

 

着用後のお手入れ

 

絹は吸湿性に優れている一方で、湿気や汗、皮脂汚れをそのままにしておくと変色やシミの原因となります。

着た後は必ず次のケアを行いましょう。

 

 

風を通す

 

着物を脱いだら、まず着物用ハンガーにかけて風を通します。

または、背もたれのある椅子に裏側を上に向けて広げ、風を通しましょう。

直射日光を避けた日陰で、1~2時間程度吊るすと良いでしょう。

長時間掛けっぱなしにすると、型崩れや日焼けのリスクがあるため注意が必要です。

 

汗や汚れの確認

 

襟元や袖口、裾は特に汚れやすい部分です。

汗ジミやファンデーションが残っていないか確認しましょう。

小さな汚れを放置すると黄変の原因になるため、見つけたら早めに専門店に相談するのが望ましいです。

 

ブラッシング


塵やホコリは着物用の柔らかいブラシで軽く払います。

強くこすると生地を傷めるので、あくまで優しく行うのがポイントです。

 

保管方法

絹の着物は湿気や虫害に弱いため、保管環境が非常に重要です。

 

たたみ方と包み

着物は基本的に「本だたみ」で畳み、たとう紙に包んで収納します。

たとう紙は和紙でできているため、通気性があり、着物を湿気から守るのに最適です。
また、埃を寄せない役割を果たしますが、湿気を吸うと、和紙自体が変色してくることがあります。
最低1年に一度は、新しいものに取り替えるのが理想です。

 

収納場所

桐のタンスが最適とされています。

桐は湿度調整機能があるため、絹の大敵である湿気から守ってくれます。

もし洋服ダンスなどに収納する場合は、除湿剤を併用しましょう。

 

虫干し

湿気対策として欠かせないのが「虫干し」です。

年に1〜2回、晴天が続いた乾燥した日に、直射日光を避けて風通しの良い場所で半日程度陰干しします。

これにより湿気やカビを防ぎ、虫害の予防にもなります。



 

 

クリーニングとしみ抜き

 

絹は家庭での洗濯には不向きです。

水に弱く、縮みや色落ちを引き起こす可能性が高いため、専門の悉皆屋(しっかいや)や和装クリーニング店に依頼するのが基本です。

 

丸洗い

洋服でいう「ドライクリーニング」に近い方法です。

全体の汚れや油分を落とすことができ、着物をさっぱりと蘇らせます。

ただし頻繁に行うと生地に負担がかかるため、数年に一度程度が目安です。

 

しみ抜き

部分的な汚れやシミは、早めの対応が肝心です。

絹は変色しやすいため、時間が経つと落ちにくくなります。

自宅で強くこすったり、市販のしみ抜き剤を使うのは避け、専門店に任せるようにしましょう。

 

 

日常の注意点

 

お手入れや保管に加えて、着用時に気をつけることで、着物をより長持ちさせることができます。

・飲食時:食べこぼしを防ぐため、ナプキンや風呂敷を膝に掛ける。

・雨天時:雨コートを着用し、濡れたらすぐに陰干しする。

・香水や整髪料:直接着物に付着するとシミや変色の原因になるため、着付け前に使用する。

・帯や小物:帯揚げや帯締めにも汗や皮脂が付くため、時折お手入れするとよいでしょう。

 

 

長期保管と見直し

 

長い間着用しない場合でも、定期的に着物を広げて点検することが重要です。

カビや黄変が早期に見つかれば、被害を最小限に抑えることができます。

タンスの奥に入れっぱなしにせず、時折、虫干しと点検を兼ねて出してみましょう。

 

 

まとめ

 

絹の着物は、美しさと気品を兼ね備えた特別な衣装です。

その反面、非常に繊細で、湿気・汚れ・虫害に弱いという特徴があります。

 

・着用後は必ず風を通し、汚れを確認する。

・保管は桐タンスやたとう紙を用い、湿気対策を徹底する。

・クリーニングやしみ抜きは自己流ではなく専門店に任せる。

・定期的な虫干しと点検を行うことで、長持ちさせられる。

 

これらの基本を押さえておくことで、大切な絹の着物を次の世代へと受け継ぐことも可能になります。

お手入れは少々手間がかかりますが、その手間こそが「着物と共に過ごす喜び」であり、着物文化を守り続けることにつながっていきます。

 

児島帯 | シルクデニム着物 | 着物 | 帯 | 着物コーデ | 着物手入れ

しかし、絹の良さはわかるけれど、お手入れにそれだけの手間と時間はかけられない・・
というかたも、実際にはいらっしゃると思います。

 

そこで。
「絹の良さ」と「お手入れの手軽さ」を兼ね備えた着物をご紹介します。

それは、「絹と綿」のハイブリット素材でできた着物です。


こちらでは、極細の綿糸を3本撚り合わせたタテ糸に、シルク糸をヨコ糸に使った、最上級クラスのデニムをつかった着物をご紹介しています。
どのような生地の着物か、ぜひご覧になってくださいね。

 

▶▶▶お手入れしやすい着物の参考アイテム ご紹介 
ブログに戻る