着物や帯には、いろんな柄が描かれています。
その柄の意味は本当に深く、興味深いものです。
《青海波(せいがいは・せいかいは)》
青海波は、文字通り、海の波のような文様が続いている柄です。
古代ペルシャから中国を経て、日本に伝わった文様だと言われています。
この名前は、神社や宮中で、お祝い事のときに舞う雅楽「青海波」の、
衣装に用いられていたことに由来するという説もあります。
青海波、というだけに「青い海」「波」とくれば、
やはり【夏】をイメージされるかたも多いと思います。
ですが、デザイン化している波ですので、季節にあまりこだわることなく、
年中使っていただける柄です。
「青海波」に込められた意味
寄せては返す・・・波はこれを繰り返します。
終わりがないことから「永遠」に続くことを願っているのです。
永遠を願うものとは? 「長寿」「幸福」「平安」などでしょうか。
これにはもう一つ、大切な要素があります。
それは、「穏やかな波」ということ。
青海波は、穏やかに永遠に続く幸せを願う文様なのです。
波の絵といえば、一般的に思い出すのは、
葛飾北斎 「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
ではないかと思います。
海外では、ビッグウエーブなどとも呼ばれ、海の絵では一番有名な絵とも言われています。
勢いがあり、躍動感溢れるこの波のような人生も、パワフルだと思いますが、
着物に描かれるのは「願い」
次の世代が、今よりももっと豊かに、
今よりももっと幸せに笑って暮らせるようにと
親が、祖父母が、子々孫々の幸せを願う
日本の民族衣装「着物」は、ご先祖さまから私たちへのメッセージカードです。